健康・ヘルスケア

ノロウイルス時の水分補給量はどれくらい?食事はいつからがいい?

2016/12/23

激しい嘔吐や下痢などの症状を引き起こすノロウイルス。
トイレから離れられない、こもりっきりという方もおられます。
とてもつらいもので、やっかいですね。

嘔吐や下痢の繰り返しで水分不足になり、脱水を起こす危険がある
と、よく言われます。どれくらいの水分補給量が必要なのでしょうか?

また、食事はどのように摂っていったらいいのか、についてご紹介していきます。

  

ノロウイルスにかかったら水分補給はどれくらい?必要量は?

脱水に注意、でも最初は絶飲絶食

ノロウイルスを始め、ウイルスを原因とする感染性胃腸炎に対しては
特別な治療法はなく、ウイルスを体の中から出し切ってしまうことが先決です。

ノロウイルスの症状の特徴は、激しい下痢と嘔吐です。
長時間にわたって下痢と嘔吐が続きますので、
体内の水分が失われて、脱水の危険があります。 水分と栄養の補給が大切です。

脱水症状が進むと、喉が渇く他、意識がもうろうとしてきたり、
痙攣や血圧低下を招き、最悪の場合、命を落とすこともあります。
そのため、とにかく脱水予防が必要なのです。

嘔吐が始まった初期の頃(3~6時間頃まで)は吐き気が強く、
水分も吐いてしまうので、絶飲絶食がよいです。

ちなみにその時間帯はあまりにつらくて(子供の場合看ている側としても)
吐き気止めや下痢止めの薬を飲みたく(飲ませたく)なるのですが、
最初に言ったように、体の中からウイルスを出さなければならないので、
自分で止めてしまっては意味がありません。
回復が遅れますので、薬は飲まないようにしましょう。

水分補給はこまめに少しずつ

嘔吐が治まって1~2時間経過したら少しずつ水分補給していきます。

大人の場合は、状態がひどくても、意識すれば自分で水分補給できますよね。
しかし、子供特に乳幼児の場合は、自分で水を飲むことができませんので、
大人が看ていながら水分補給させます。
また、乳幼児の脱水は成人と比べて重症化しやすいので、注意が必要です。

乳幼児の水分補給のポイントは

・こまめに少しずつ与えること

・体重に応じた水分補給をすること です。

脱水を起こさせないように
「あんなに吐いたことだし、たくさんの水分を」
と思って一気に多く飲ませたいところですが、
水分を取るペースが早いとまた吐いてしまうので、
焦らずに少しずつ与えるようにしてください。

乳幼児なら10ml(小さじ2杯)を10~30分おきに
少しずつこまめに水分補給させるようにしましょう。
量の目安を大人が把握しやすいので、スプーンを使うのがよいでしょう。

最初はしばらく様子を見、吐き気が出ないようであれば繰り返します。
1時間当たり40~70ml飲めるようになったら、
あとは飲みたいだけ飲ませてかまいません。
ただし、飲みすぎには注意しましょう。
途中で嘔吐した時には2時間ほど空けて10mlから始めます。

脱水を起こさないための水分量は、
「体重1kgあたり50ml以上を4時間かけて与える」
ことができれば、脱水を予防できます。

体重10kgなら、500mlを4時間、1時間あたり125ml、
体重15kgなら、750mlを4時間、1時間あたり200mlの
水分が取れていればひとまず安心です。

何を飲ませるかですが、経口補水液がおすすめです。
体に吸収されやすく、下痢や嘔吐で失われたミネラル分も補給できます。

他には
お茶
湯冷まし
薄めたリンゴジュース
 などもよいです。
冷えたものより常温のものの方が体にやさしいですよ。

ノロウイルスにかかったら食事はどうする?

消化によいものを少しずつ

水分がしっかり取れるようになったら、消化しやすい食事をとるようにします。
食欲がないのであれば、極端な話、水分だけでけっこうです。
1日、2日食べなくても水分補給ができていれば、体には問題ないです。

最初は胃に負担がかからないよう
やわらかいおかゆ
リンゴのすりおろし

を食べるようにし、

次に少し形のあるやわらかいもの
やわらかく煮込んだうどん
やわらかく煮たり、裏ごししたかぼちゃ
ヨーグルト
豆腐
ゼリー

等を食べるようにしましょう。

食べる時は、少量ずつゆっくり食べるようにしてください。
また、少しでも吐き気がした場合、無理に食べなくてもいいです。

体に余裕が出てきたようであれば、
かぼちゃ・にんじんなどのビタミンやミネラルの豊富な緑黄色野菜、
りんごなどの整腸作用のあるものを意識して少しずつ摂るようにしましょう。

単品ではちょっと・・・という方は
野菜を柔らかく煮込み、ごはん少量と一緒にミキサーにかけると
トロトロのポタージュになります。
お腹に優しく栄養満点でおすすめですよ。

ヨーグルトは乳酸菌が多く含まれており、
この乳酸菌が腸の中で善玉菌として働くことによって、
腸の修復、炎症の軽減に役立ちます。
ノロウィルスにとっては非常にお腹によい食品となります。

ちなにみさっぱりとしているから・・・といって
柑橘系のみかんやグレープフルーツはやめましょう。
クエン酸が含まれていて胃を刺激するので、回復後まで我慢です。

回復後は段階的に戻していく

ノロウイルスの症状は通常、2・3日すれば治まりますが、
すぐに元の食事に戻すのは胃がびっくりしてしまいます。

おかゆに卵をまぜてみたり、
うどんに具をのせてみたり、
少しずつ段階を上げていって、元の食事に戻していきましょう。

以下、ほんの一例ですが、少し良くなってからの食事をご紹介します。

たまごがゆ
牛乳がゆ
あんかけおかゆ
韓国にはだしなどを入れたおかゆが豊富らしくて、
大人でもよく食べるそうです。
それをイメージして家にあった帆立のだしの素で
作ったらすごくおいしくできあがりました。
香り付けにごま油をほんの少し垂らしました。
おだしは多分なんでもいいのだと思います。

コンソメ、トマト、チャウダー、ポタージュなど洋風の味も。
離乳食を思い出してください。
あの時のように一歩一歩食べられるように練習するんです
柔らかいうどんから始め、野菜も柔らかく煮たものを潰したり、
たんぱく質も少しずつ与えるようにして・・・という感じです。
お子さんもおいしく食べられるでしょう。

まとめ

ノロウイルスにかかった時の水分補給や食事、いかがでしたでしょうか?

下痢や嘔吐の症状が治まったら、まずは何より水分補給です。
「こまめに、少量ずつ」を心がけてください。

できれば経口補水液は常備しておくといいですね。
ウチでは地震のときにの非常用として購入したものですが、
子供が病気をしたときにも使えて役に立っています。

今は大変な時期ですが、先の見えない不安より、
この後どういう経過をたどって治っていくか、
のイメージがつくだけでもだいぶ楽になると思います。

少しでもよくなりますように。

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