退職届と退職願の違い 理由は一身上の都合でよい?具体的にと言われたら?
お仕事を何らかの理由でやめようとする際、どのような書面で出したらよいかお悩みではないですか?よくドラマなどで目にする辞表。辞表や退職届・退職願の違いってわかります?
また、退職理由をどう書くかも悩んでしまいますね。果たして「一身上の都合」だけでいいものかどうか。
こちらでは退職する際に悩むそんな疑問にお答えします。
辞表と退職届と退職願と辞表の違い
まずは辞表や退職届、退職願の違いについて知っておきましょう。
辞表を書くのは経営者や役員
よくドラマなどで目にする「辞表」ですが、辞表は企業や会社の経営者や一定以上の役員、役職が付いている人が書くものです。一般的な会社員・従業員の方は「退職届」か「退職願」を提出することになります。
ドラマの見すぎでカッコよく「辞表」をダンッ!と突きつけてやった気になっても、あなたが役職などついていなければ逆に恥ずかしい思いをすることになりますので、ご注意を。
企業の役員とは理事、取締役、執行役、監事・監査役や支配人、事業主任者など、届出やお願いしても受け取ってくれるその上役がいない場合と覚えておきましょう。
退職届は撤回できない
退職届は、従業員から一方的に、「この日に辞める」と宣言するものですから、会社は懲戒対象でないなら、必ず受理しなきゃなりません。一方で出した以上、労働契約を従業員側から一方的に解約するので、撤回するとこはできません。
しかし、「一方的に」というのがあまり一般的でなく、退職交渉で退職がまとまっている時の最終確認として提出を求められることが多いです。
よほど退職の意思が強く、何を言われても曲げるつもりがない場合も退職届として出す方もいるようですが、円満退職とはいえない場合です。
退職願は撤回できる
退職願は、会社に対し「この日に退職させて下さい」というお願いの文書です。労働契約を合意の上で解約するもので、一般的に円満に辞めるなら退職願を提出します。
退職願は提出した後も人事や最終的には社長が受理するまでは撤回することもできます。
ただ「後で撤回できるから」という気持ちでいればいい、という意味合いで言っているわけではありません。波風を立たせずに退職交渉を進めていくには退職願という形が向いているというご提案です。
効力としては退職願も退職届も受理されれば同じです。退職願を提出て退職交渉を行うか、退職交渉をした上で会社の要求に応じて退職届を提出する、というのが一般的です。
退職願はいつ出す?
通常は1ヶ月以上前から提出はたは退職の意思表示をしていく必要があると思います。急に辞めるというわけにもいかないでしょうし、会社側からしても痛手になるでしょう。会社規定などもあるでしょうし、直属の上司に報告し、その後の受理という段階を踏んでいくのがいいでしょう。
法律上、労働基準法でいうと最低2週間前にいえば、問題ないようです。
退職願の理由は一身上の都合でよい?
退職理由で定型句として使われている「一身上の都合」。私の情報の出所はあいかわずドラマなのですが、退職願を出したことのない方でも知っている定型句ですよね。
一身上の都合というのは個人的な事情がある、自己都合ということです。退職される理由がやりたい仕事への転職、企業、結婚出産や配偶者の転勤、両親の介護、さらに個人的な理由でイヤになったなど、会社とは関係なく個人的な事情で退職する場合は「一身上の都合」が使えます。
一身上の都合の逆として「会社都合」があります。会社の倒産や解雇された場合はもちろん会社都合ですよね。その他にも一定の基準以上の時間外労働やセクハラ・パワハラが原因で退職する場合は会社都合に該当することがあります。
ネットを見ていると、安易に全てを「一身上の都合」で書けばそれでよいというような書かれ方をされていますが、退職理由が「一身上による自己都合」か「会社都合」かによって、雇用保険の失業給付金の受給開始日や給付期間などが異なってきますので、退職の理由が少しでも会社にある場合は、ハローワークなどで調べてみるといいでしょう。
退職理由で一身上の都合と書いて具体的にと言われたら?
会社によっては、退職届には詳細な理由を書かずに、「一身上の都合」と書くのがマナーとする考え方もあるようですが、反対に「一身上の都合」以外の理由を書いてほしいと言われる場合もあるかもしれません。
詳細な理由を書くべきという決まり(法律)は無いのですが、会社側としては退職理由を知りたいはずです。
先の会社都合でないか、や親身な意味として聞く何が気に入らなかったのか、嫌がらせでも受けていたのか、など。
その場で退職届を開けられて、具体的に書いてと聞かれた方もいるようです。
・家庭内の事情にて
・自己都合にて
・自己病気療養にて
・親の介護にて
・他職種でのスキルアップの為
・地元帰省による通勤困難
など、事実かどうかはともかくとして、さらっと返せる引き出しを持っておくと楽かもしれません。
「親の介護」と書いたり説明する際には、深く込み入った話まで追求されないでしょうね。
退職するからには会社を辞める理由は、人よっては他人に言いたくないということもよくあることだと思います。
最終的にどうするかは、会社での付き合い次第だったり、個人間の自由ですが、本音と建前で「一身上の都合」を状況により使い分けることが円満に退職する近道と言えるでしょうね。
まとめ
辞表や退職届、退職願の違いと、退職理由の「一身上の都合」についてお話しました。
特に問題なく、個人的な事情で退職するときには一身上の都合でよさそうですが、会社都合に当てはまりそうなときには注意が必要ですね。
それぞれ事情はあるかと思います。今後のことも正しく理解して行動したいですね。