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天神講って何?孫渡しって?天神様の選び方 福井に嫁入りしたご両親へ

2017/01/25

みなさん、天神講ってご存知ですか?
福井や富山など一部の地域での風習なのですが、
県外の方からしたら、わからない習慣ですよね?

「正月から天神講用に飾る天神様の掛け軸を用意してほしい」などと言われて
「?」ってなったりします。

こちらのページでは福井に嫁入りした娘さんのご両親に向けて、
天神講とは何か?
天神様を用意してと言われた時に孫渡しっても言ってたけど、どういったものか?
天神様の掛け軸の選び方、
についてご紹介していきます。

  

天神講?天神様の掛け軸って何?

娘さんが福井に嫁入りしたお父さん、お母さん、
もうおじいちゃん、おばあちゃんになってしまいましたかね、
お孫さんの誕生おめでとうございます。

天神講とは、福井県の嶺北地方や富山県、
長野県、新潟県、静岡県、愛知県、鳥取県、島根県の一部の地域で行なわれている
地域独特の風習です。

福井にはその家の長男が生まれると、その次の正月から25日にかけて
学問の神様といわれる、菅原道真を描いた天神様の掛け軸を飾り、
焼きカレイを供えるという習慣があります。
お供えしたカレイは1月25日の夕食に食べて、
お孫さんの無病息災や学業成就を願う、というのが、福井の天神講です。

ちなみに、1月25日にご両家のみなさんが集まり、会食をする、
というわけではありません。

天神様の掛け軸は生まれた長男の母親の実家が用意する、
というように決まっています。

尚、、その家の「長男」に対して贈るもので、
次男が生まれた時や、長女が生まれた時には贈る必要はありません。
代々続く歴史の長い家では、祖父から孫まで三世代分の掛け軸が吊るされる
というお家もあります。

天神様の掛け軸を飾る日は明確には決まってないのですが、
正月から、1月7日からというお家もあれば、
菅原道真の命日の25日にちなんで、12月25日からともいわれます。
なので、せっかく渡したのに全然飾ってくれないじゃないか、
と思われても、飾る時期がありますので、あしからず。

県外の方からしたら、おかしな風習ですが、天神信仰といわれるこの風習は
実際、私の住む地域でもそれが習わしとして、深く根付いています。
一般には孫渡しの際に贈る、とされているのですが、
(孫渡しについては後述します)
五月人形やこいのぼりより天神様に重きをおいています。

地域独特の習慣なので、理解には苦しまれるかも知れませんが、
大切なお孫さんのため、「健やかに・賢くなるように」を願っての行事(?)や
贈り物になります、ご理解をお願いします。

福井の天神講についてはこちらも参考にどうぞ
福井の天神講は焼きカレイを食す 掛け軸は誰が用意する?当日することは?
こちらは天神講についての一般的な知識を載せています。

孫渡しって何?時期はいつするのか?他にすることあるの?

県外の方からすれば、孫渡しというと、
「孫を誰かに渡すの?」と思ってしまうかもしれない名称ですね。

もともと孫渡しは、母の里方で生まれた初児を普通30日で、
婚家先へ母親と一緒に届けることを言っていました。
産着を着たままの赤児に、里方の祖母が縫った晴れ着を着せた、
というのが、孫渡しの始まりだったようです。

まずは、びっくりされないように、今現在の孫渡しをご説明します。

孫渡しの時期ですが、母親(娘さんですね)と第一子が婚家へ戻る時です。
昔は「普通30日」と書きましたが、現在は特に決まってなく、
その家ごとにもよりますが、もっと長いところもありますね。
その際に孫渡しとして、お孫に対して贈り物をします。

今現在では、簡略化されて、
お宮参り用の初着(ゆくゆくは七五三で着ることになります)
が孫渡しとしての贈り物となっています。

そして、その家ごとによるのですが、以下のような贈り物を
孫渡しと同時に、またはそれぞれの初回の時期に合わせて贈ります。

男の子なら
 天神様   [正月]

(五月人形) [5月]

(こいのぼり)[5月]

(破魔弓)  [正月]

女の子なら
 雛人形   [3月]

(羽子板)  [正月]

(市松人形) [年中]

カッコ書きにしたのは、「その家による」という意味合いで書きました。
特に男の子の五月人形やこいのぼりは分かれるところです。

どちらにせよ、よっぽど婚家のご両親が何もしなくていいと言われない限り、
天神様は、ほぼ必要とされます。
「必要な物は用意しますので・・・」とこちらから声をかけるか
婚家のほうから、「この地域ではこんな風習があって・・・」
という話をされるのではないでしょうか。

上記、今現在は、という話をさせていただきました。
以前は、婚家へ戻られてから向こう3年間、もしくは就学前まで、
ベビーベッドやベビーカー、タンスから服からオムツなど日用で使うものを
全て娘さんの実家から出すような風習がありました。
その費用は100~150万円ほどかかり、トラック1台分の量になった
とも言われています。
(これにはお互いの出す時期・渡される時期があり、
一様に里方の出費だけではないのですが)
それほど大掛かりなものだった時代もあったようです。

天神様の選び方、相場など

さて、お孫さんへの贈り物として渡す天神様の掛け軸ですが、
実質、婚家への、ひいては婚家への贈り物としての意味合いを強く感じ、
選ぶのに迷ってしまいますね。

選び方、といいましても「こうでなくてはならない」というものはありません。
まず気になるお値段のほうですが、
7万~11万のもので必要充分だったりもします。
とはいえ、格式を重んじるお家では20万以上のものを求める家もあります。

ただ、天神様など販売しているお店的には、
好みで選んでいただき、気持ちも価格では決まりません、
とのことです。

・好きな絵を何点か選んで、並べて比較します
・店員さんから作りの違いや生地の違いの説明を受け、
 一生ものの一品を選ぶ
という見方をしていきます。

天神様は仏壇の方向を見て(向いて)いなければならない、
という話を聞くこともあるかもしれませんが、
天神様は「神様」なので、「仏様」の類にあたる仏壇とは別物です。
通常、天神様は向かって「左」を向いているのですが、
「右向き」は書いている画家さんも少なく、選択の幅が狭くなってしまいます。
仏壇と床の間の位置は木にせず、「左向き」もものでよいでしょう。

販売店なのですが、
そもそも、地元に天神様の掛け軸が売られているのであればいいのですが、
そんな風習のない場合、売られてないこともありますよね。
いちど、福井に来たときに販売店を訪ねてみるのもよいでしょう。

鏡屋
和峰 
人形のかぶと 
孫いち 
などがあります。

いろいろと気を遣うかもしれませんが、わからなければ、
婚家の地元(福井)でご両家立会いの下、みてもらうのも一案です。
さまざまな意見交換はもちろんのこと、
販売店と懇意にしていたりすると、お安く済むという点もあったりします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
天神講、天神様の掛け軸についてお話してきました。

地域独特の風習の場合、理解しがたい点もあるかとは思いますが、
ひいてはお孫さんのこと、健やかなる健康と将来をお祈りし、
天神講を行なえるといいですね。

天神様は買い換えることはなく、お孫さんにとっては一生の品になります。
大切に選んだ一品、お孫さんが成長してからきっと、
愛情を受けて育ってきたと感じることができるでしょう。

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